web担当ユウキです!
Illustratorで印刷用の画像を作っていた時、ふとカラーパネルを見るとK=100%になっていることに気がつきました。
「あれ?全部掛け合わせても黒なんじゃなかったっけ?」
…やっぱりそうです。黒でした。
「どっち使ったらいいの?」
そして調べました。すると、黒には3種類あるということがわかったのです。
スミベタ、4色ベタ、リッチブラック
それぞれ詳しく見てみましょう!
目次
スミベタとは、K(ブラック)100%で表現される黒のことです。
ブラック1色での印刷になるので、見当ずれ(重なり合った版がずれること)が起こりません。
(↓分かりやすいよう大幅にずらしていますが、見当がずれるとこんな感じです)
そのため、基本的な文字や細かい線にはこのスミベタ(K=100%)が最適です。
逆に、広い面やイラストの塗りには適していません。
ピンホールという小さな穴が目立ちやすかったり、K=100%で作成されたものはすべて、自動的にオーバープリント処理されたりするからです。このオーバープリントによって下にある絵柄が透けてしまうのです。
4色ベタとは、CMYKすべて100%で作成された黒のことです。
一般的には、濃度が高すぎるためオブジェクトや文字には使用されない黒色なのだそうです。
印刷物のインキには適正な濃度があるのですが、インキ濃度が合計で340%を超えると乾きにくくなってしまい、印刷物同士がくっついてしまうのです。4色ベタの場合インキ濃度が400%になってしまいますね…💦
リッチブラックとは、CMYKそれぞれの色をかけあわせて作成された黒で、その値は印刷会社によって異なるそうです。
スミベタ(K=100%)に比べて濃い黒色に仕上がり、ピンホールが目立ちにくいです。
ブラックオーバープリントによる絵柄の透けも起こりにくいので、広い面やイラストの塗りに適しています。
CMYKの4色の版を掛け合わせるため見当ずれが起こりやすく、細かい文字や細い線には適していません。
タムラ印刷のデザイナーに聞いてみると…
紙の種類や絵柄によって、裏移りしそうだと思うときは
C=30% M=20% Y=20% K=100% で、
その心配がなく、濃く刷りたいときは
C=50% M=40% Y=40% K=100%
C(シアン=青)が多めになっているのは、赤っぽい黒になるのを防ぐためだそうです!
画面で見るとどれも全く同じ黒に見えますが、印刷するとほんの少し違いが出るようです。
印刷用のデータは、文字と塗りは別のそれぞれにあった黒を使ったり、印刷前には色校正をして印刷事故が起こっていないか目で見て確認されたりすることをオススメします!
見てくださってありがとうございました!